武蔵中学校の入試を検討するとき、多くのご家庭が気になるのが「合格最低点は何点くらいなのか」「受験者数や倍率はどう変化しているのか」という点だと思います。
この記事では、武蔵高等学校中学校の公式サイトに掲載されている入試データのうち、2021年度から2026年度までの6年間分を整理し、合格最低点・受験者数・実質倍率がどう推移してきたかを解説します。公式サイトで公表されている年度分のみを扱います。データを正しく読むことで、武蔵入試の難易度を数字で捉えられるようになります。
なお、この記事で示す数値はすべて武蔵高等学校中学校公式サイトの入試データページ(https://www.musashi.ed.jp/admission/data.html)に掲載されている情報にもとづきます(2026年7月10日確認)。
目次
- 武蔵中学校 入試結果データ一覧(2021〜2026年度)
- 合格最低点の推移をどう読むか
- 受験者数・倍率の推移をどう読むか
- 2026年度の科目別平均点から見えること
- 「難易度が上がっている」と単純に言えない理由
- 合格最低点をどう対策に活かすか
- よくある質問
- まとめ
1. 武蔵中学校 入試結果データ一覧(2021〜2026年度)
まず、公式サイトに掲載されている6年間の入試結果を、表にまとめます。募集定員はこの間、一貫して男子160名です。
| 入学年度 | 出願者数 | 出願倍率 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 | 合格最低点(満点320点) | 得点率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021年度 | 584名 | 3.7倍 | 574名 | 183名 | 3.1倍 | 183点 | 約57.2% |
| 2022年度 | 640名 | 4.0倍 | 626名 | 178名 | 3.5倍 | 202点 | 約63.1% |
| 2023年度 | 601名 | 3.8倍 | 579名 | 186名 | 3.1倍 | 182点 | 約56.9% |
| 2024年度 | 546名 | 3.4倍 | 530名 | 177名 | 3.0倍 | 206点 | 約64.4% |
| 2025年度 | 518名 | 3.2倍 | 500名 | 182名 | 2.7倍 | 187点 | 約58.4% |
| 2026年度 | 539名 | 3.4倍 | 521名 | 184名 | 2.8倍 | 173点 | 約54.1% |
※得点率は合格最低点を満点320点で割った値を、記事作成にあたり算出したものです(小数点第2位を四捨五入)。
※出典:武蔵高等学校中学校公式サイト「入試データ」(https://www.musashi.ed.jp/admission/data.html、2026年7月10日確認)
6年間を通して見ると、合格最低点は173点(2026年度)から206点(2024年度)まで、年度によって30点以上の幅で変動していることがわかります。得点率で見ても、約54%から約64%まで振れ幅があります。
2. 合格最低点の推移をどう読むか
合格最低点だけを見ると、2024年度の206点が6年間で最も高く、2026年度の173点が最も低い数値です。この2つの年度だけで、得点率にして10ポイント以上の差があります。
ここで押さえておきたいのは、合格最低点は「その年の問題の難易度」と「その年の受験者集団の実力」の両方が影響する数値だということです。合格最低点が下がったからといって、その年の入試問題が簡単だったとは限りません。逆に、合格最低点が上がった年に問題が易しかったとも限りません。単年の数値だけで「今年は難しかった」「今年は易しかった」と判断するのは早計です。
一方で、6年間という複数年のデータを並べて見ることには意味があります。173点〜206点、得点率にして約54%〜約64%という「振れ幅の大きさ」自体が、武蔵入試の一つの特徴だからです。武蔵中学ガイド(ピラー記事)でも触れているとおり、2026年度の合格最低点173点は得点率約54%であり、満点近い得点を積み上げなくても合格ラインに届く設計になっています。この構造は、6年間を通じて大きくは変わっていません。
3. 受験者数・倍率の推移をどう読むか
受験者数は、2021年度の574名から2025年度の500名まで、緩やかな減少傾向が続いたあと、2026年度は521名とやや増加しています。出願者数も同様の動きで、2022年度の640名をピークに、2025年度の518名まで減少し、2026年度は539名に戻しています。
実質倍率(受験者数÷合格者数)は、2022年度の3.5倍が6年間で最も高く、2025年度の2.7倍が最も低い数値です。直近2年間(2025・2026年度)は2.7〜2.8倍で推移しており、2021〜2023年度の3.1〜3.5倍と比べると、やや落ち着いた水準にあります。
募集定員が160名で一貫している一方、合格者数は177〜186名の範囲で年度ごとに調整されています。これは、入学者数を176名前後に安定させるための方針と考えられますが、この点について公式サイトに明示的な説明はありません。
受験者数や倍率の変動は、その年ごとの中学受験全体の動向(志願者数の増減、他校の入試日程との兼ね合いなど)にも左右されます。武蔵単体の数値だけを切り出して「人気が下がった」「入りやすくなった」と結論づけるのは、慎重であるべきだと考えます。
4. 2026年度の科目別平均点から見えること
公式サイトの入試データページには、2026年度分に限り、科目別の平均点も掲載されています。国語・算数は各100点満点、社会・理科は各60点満点です。
| 科目 | 合格者平均点 | 受験者平均点(全体平均) |
|---|---|---|
| 国語(100点満点) | 55.8点 | 48.6点 |
| 算数(100点満点) | 57.0点 | 43.2点 |
| 社会(60点満点) | 46.0点 | 41.7点 |
| 理科(60点満点) | 32.4点 | 27.7点 |
| 合計(320点満点) | 191.2点 | 161.3点 |
※出典:武蔵高等学校中学校公式サイト「入試データ」(https://www.musashi.ed.jp/admission/data.html、2026年7月10日確認)。2026年度のみの掲載であり、他の年度の科目別平均点は公式サイトに掲載されていません。
この表で目を引くのは、合格者平均点と受験者平均点(全体平均)の差が、科目によって異なることです。算数は合格者平均57.0点に対し受験者平均43.2点と、差が13.8点あります。一方、社会は合格者平均46.0点に対し受験者平均41.7点で、差は4.3点にとどまります。
これは、算数が合否を分けやすい科目である一方、社会は受験者全体が一定の得点を確保しやすい科目である、という可能性を示しています。科目別の傾向をより詳しく知りたい方は、科目別の対策記事もあわせてご覧ください。
5. 「難易度が上がっている」と単純に言えない理由
6年間のデータを見て、「合格最低点が下がった2026年度は簡単になった」「206点だった2024年度は難しかった」と単純に読みたくなるかもしれません。ですが、この読み方には注意が必要です。
理由は大きく2つあります。
第一に、武蔵の入試は思考プロセスや記述の質を評価する部分点方式です。同じ大問でも、採点基準の運用によって得点の出方が年度ごとに変わりえます。問題文だけを比較して「今年は易しい」と判断することはできません。
第二に、合格最低点は受験者集団の実力にも左右されます。ある年にたまたま得意な受験生が多く集まれば、問題の難易度が同じでも合格最低点は上がります。逆に、難問が多い年でも、受験者層の実力が高ければ合格最低点は下がりません。
つまり、合格最低点の上下だけから、その年の問題の難易度を一方向に判断することはできないのです。6年分のデータを俯瞰して「合格ラインはおおむね得点率54%〜64%のレンジで推移している」という事実を押さえること。これが、過去問演習や得点戦略を立てるうえで、もっとも実用的な読み方だと考えます。
6. 合格最低点をどう対策に活かすか
合格最低点の推移から言えることは、武蔵入試で目指すべきは満点でも合格者平均でもなく、「合格最低点を安定して超える力」だということです。
6年間の得点率は約54%〜約64%の範囲でした。仮に得点率60%前後(320点満点で190点前後)を安定して取れる状態を作れれば、どの年度の合格最低点であっても上回る可能性が高くなります。逆に言えば、得点率50%台前半で足踏みしている状態では、2026年度のような合格最低点が低めの年でなければ届かない、という計算になります。
過去問演習の際は、「何点取れたか」だけでなく、「取れるはずだった問題をどれだけ取りこぼしたか」を振り返ることが重要です。この考え方については、武蔵中学校受験ガイドの「合格最低点から逆算する得点戦略」でも詳しく解説しています。
👉 合格最低点から逆算する得点戦略
👉 武蔵中 記述対策(全科目共通)
7. よくある質問
Q1. 武蔵中学校の合格最低点は毎年何点くらいですか。
公式サイトが公表している2021〜2026年度の6年間では、320点満点中173点(2026年度)〜206点(2024年度)の範囲で推移しています。得点率にすると約54%〜約64%です。年度によって変動があるため、特定の1年の数値だけを目安にするのではなく、複数年のレンジで捉えることをおすすめします。
Q2. 2020年度以前の合格最低点は公表されていますか。
武蔵高等学校中学校の公式サイト「入試データ」ページ(2026年7月10日確認時点)には、2021年度から2026年度までの6年間分のみが掲載されています。それ以前の年度のデータは、同ページには公表されていません。
Q3. 合格最低点が下がった年は「狙い目」ですか。
合格最低点の低さだけを理由に「入りやすい年」と判断するのは危険です。合格最低点は、その年の問題の難易度と受験者集団の実力の両方に左右されるため、翌年以降も同じ水準が続く保証はありません。対策の目安としては、直近6年間のレンジ(得点率約54%〜約64%)の上側を安定して取れる状態を目指すのが現実的です。
Q4. 倍率が下がっているので、武蔵中学校は入りやすくなっていますか。
実質倍率は2022年度の3.5倍から2025年度の2.7倍まで低下し、2026年度は2.8倍とやや戻しています。ただし、倍率の低下は受験者数の減少という中学受験全体の動向も影響しており、入試問題の難易度や採点基準が易しくなったことを意味するものではありません。倍率の数字だけで「入りやすくなった」と判断せず、合格最低点や得点率もあわせて確認することをおすすめします。
8. まとめ
武蔵中学校の入試結果を、公式サイトで公表されている2021〜2026年度の6年間で整理すると、次のことがわかります。
- 合格最低点は173点〜206点(320点満点)、得点率では約54%〜約64%の範囲で推移
- 受験者数は2021年度の574名から2025年度の500名まで緩やかに減少し、2026年度は521名にやや回復
- 実質倍率は2022年度の3.5倍がもっとも高く、2025年度の2.7倍がもっとも低い
- 2026年度は科目別平均点も公表されており、合格者平均点と受験者平均点の差は算数がもっとも大きい
- 合格最低点の上下だけで、その年の入試の難易度を単純に判断することはできない
武蔵入試で目指すべきは、満点でも合格者平均点でもなく、合格最低点を安定して超える力です。6年分のデータが示すレンジを踏まえて、日々の学習の目標設定に役立てていただければと思います。
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